木材の節の有無から見た比較

木材を選ぶ基準の1つとして、『節』の有無があります。 木材を購入する、もしくは家具や内装として使用する際などには、好みの木目や色などを選ぶことが多いのではないでしょうか。木はそれぞれに異なる木目を持ち、自分の好みに合ったものを選ぶことができます。1つとして同じものがないというのが、木材の持つ魅力の1つですよね。節についても同様に、大きなものや小さなもの、色や形もそれぞれ。節の有無によって見た目ががらりと変わるだけでなく、品質にも大きな影響を及ぼします。本記事では、木材における『節』について、その特徴や有無による違い、用途などをまとめました。 

1.節ってどんなもの?

節とは、枝の根元部分が幹の内部に残ったもののことを指します。木製のテーブルや床材などで、茶色く丸い模様を見たことはないでしょうか?木は成長すると、高く伸びるだけでなく、幹は太くなります。その際、枝の一部が幹に取り込まれてしまいます。そして、これが木材として切り出したときに節となって現れるのです。

木が成長する上で枝は必ず生まれるため、1本の木から木材を切り出すと、必ず節もどこかに現れます。太く、大きく成長した丸太で、外周には枝葉が見られない状態であっても、心材に近い部分では節が見られることも多いです。節は、大きく生節と死節に分けられ、それぞれに異なる特徴を持っています。

・生節(いきぶし)

生節とは、枝が生きたまま幹に取り込まれた際にできたもののことです。取り込まれた時に枝は生きているため、幹の組織としっかりつながっており、木材としても強度も十分に保たれています。色は薄い褐色で、大きさも大小さまざまです。木の自然さをもった木材として、生節のあるものを好まれる方も増えてきているようです。

・死節(しにぶし)

死節は、天候等何らかの理由で枯れた枝が幹に取り込まれた際にできたものです。枝が枯れてしまっているため、幹の組織とはつながっておらず、強度的にも弱くなってしまいます。
色も黒っぽくなり、見た目にも良くありません。また、収縮などで抜け落ちてしまうこともあるため、死節は敬遠されることが多いです。

死節が抜け落ちてしまった箇所のことを抜け節といい、抜け落ちた穴に対しては埋め木という木片を埋め込む処理を行います。このように処理された節は詰節と呼ばれています。

節のある部分は密度が高く硬くなったり、ヤニが出やすいといった特徴があり、加工に関しては節のない部分と比べると手間がかかるのが特徴です。基本的に節はないものがよいと考えられており、少ないものほど高級とされています。節の数や大きさによって木材の等級は異なり、以下のように分けられます。

以下では、木材に表れている節による等級分けについてご説明いたします。

・無節(むふし、むじ)

これは節の種類を示すものではなく、節がない木材のことを指すもので、節のあるなしを基準とした等級の中で最高級とされています。その見た目の美しさから、玄関や応接間など、人の目に触れることが多い場所で重宝されている木材です。

・上小節

無節に次ぐ高級品とされる上小節。節はありますが、直径10mm程度の小さいもので、ほとんど目立つことはありません。予算などの理由から、無節を使わないまでも、見た目を気にする場所で使用します。

・小節

こちらは直径20mm程度までの節がある木材で、生節と詰節が混在しています。

・節あり

一等とも呼ばれる、小節以下の等級の木材です。小節よりも大きなものが点在しているもののことで、等級的には最も低いものとして扱われます。しかし強度的には問題がないため、構造材などの目に見えない場所、子供部屋やウォークインクローゼットなどで多く使用されています。

 2.無節のメリット(無垢材のメリット、高級感、強度)

無節のメリットは、なんといってもその見た目の美しさではないでしょうか。内装などで使用すると非常に高級感があり、非の打ち所がありません。また、欠点がないため加工や施工がしやすく、とても優れた木材として考えられています。

“節のない材料 = いい材料”という考え方が浸透しており、林業においてはできるだけ節の少ない(特に死節のない)材料を育てることが大切です。そのため、成長に関係のない枝はノコギリやナタを用いて切り落としてしまいます。この作業を枝打ちといい、商品価値の向上につながるだけでなく、スギやヒノキの花粉症対策としても効果があると言われている重要な工程です。

 3.節がある材のメリット(安価、自然感)

無節は木材の中でも最高級品とされていますが。節がある木材にも様々なメリットがあります。無節と比べて価格が安い点というのは大きなメリットです。先ほども紹介しましたが、節のある木材でも強度に問題のないものも多く、構造材や下地材などの見た目に現れない箇所で多く使用されています。

ただし、最近では、内装などの見える箇所に節のある木材を利用するケースが増加しました。節は自然と生まれるもので、自然のままの風合いをデザインとして取り入れるという考えが広まっているようです。特にロッジやコテージなど、自然を感じる空間には、ある種の豪快さが好まれているように思います。

 4.まとめ

木材における節について解説しました。節の有無については好みの分かれるとことなのかもしれませんが、皆さんはどうお考えでしょうか。 それぞれの木材の良さを活かして、適材適所に無駄なく活用できる方法を考えていくことが重要なのではないかと思います。

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