針葉樹と広葉樹の比較からみる相違点

建築資材や家具などで使用される木材は、針葉樹と広葉樹の2種類に分けられます。

「名前は聞いたことがあるけど、違いがわからない」

「よく目にするマツやスギはどっち?」

など、その違いに関して疑問が浮かんでくるのではないでしょうか。なんとなくイメージはできるけど、言葉で説明するのは難しいかもしれませんね。本記事では、針葉樹と広葉樹の違いについて、生物的な成り立ちから用途にわたるまで、わかりやすく解説しました。

1.針葉樹・広葉樹は細胞が違う

針葉樹と広葉樹は、同じ木ではあるものの、そもそもの細胞や組織が全く異なります。針葉樹は構造が単純で、その組織の大半が仮道管という要素から成り立っています。仮道管とは死んだ細胞のことで、細胞が死ぬと円筒状の厚い細胞壁だけが残るため、

・水分の輸送

・機械的強度の確保

という2つの機能を持つことができるのです。

単純かつ明快な構成と、綺麗に並んだ配列が特徴で、この細胞の成長により針葉樹の年輪が作られています。広葉樹は、針葉樹に比べて複雑な構造をしており、細胞の種類も多く、きちんとそれぞれの機能ごとに分かれているのが特徴です。

必要な機能は仮道管だけでまかなっていた針葉樹とは異なり

・水分の輸送 → 道管

・機械的強度の確保 → 木部繊維

といった個別の機能を持った組織で構成されています。

道管は、針葉樹が持つ仮道管に比べて太く、水分の輸送効率が高いです。そしてこの道管は配列のパターンが異なるものが存在し、以下の3つに分類されます。

・環孔材

道管が年輪に沿って環状に配列されているものを指します。クリやナラ、ケヤキなど 

・散孔材

道管がランダムに散らばった構造をしているものを指します。ブナやカツラなど

・放射孔材

道管が樹心より放射状に配列されているものを指します。カシやシイなど

これらの違いは見た目だけでなく、手触りにも現れます。道管が細い散孔材はスベスベの手触りでとても気持ちが良いですが、逆に道管が太い環孔材は凹凸を感じることができるといった違いが見られます。

2.葉・年輪・特性の違い 

細胞や構造が大きく異なる針葉樹と広葉樹。実際の見た目や特徴に関してはどのような違いがあるのでしょうか?ここでは、葉・年輪・特性の3つの観点から、その違いについて解説します。

・葉の違い

針葉樹と広葉樹を特徴づける一番の要素は、その葉です。針葉樹は、スギやマツに代表されるように葉が針状にとがっているのが特徴で、その大半が冬でも葉をつけている常緑樹に分類されます。一方広葉樹は、平べったい葉をつけるものが多く、丸みを帯びたものからとがったものまで様々な形の葉をつけるのが特徴です。こちらは常緑樹と、秋などに葉を落とす落葉樹に分類され、前者にはカシやシイ、クスノキが、後者にはブナやナラ、カエデなどがあります。

・年輪の違い

次に、年輪の違いについて見てみましょう。先ほど細胞や構成の違いについて解説しましたが、それらの違いは年輪にも大きく影響を与えます。針葉樹の場合は、濃淡がはっきりした年輪がみられます。その大半が仮道管から構成されている単純な構造であるというのは先ほど説明した通りです。仮道管は細胞が死に、細胞壁だけが残ったものですが、細胞の成長する時期により仮道管の大きさは異なります。春から夏に大きく成長した細胞は太く夏目と呼ばれ、冬に成長する細胞は細く冬目と呼ばれます。この細胞の大きさ(仮道管の大きさ)の違いが年輪として現れるため、針葉樹の年輪は濃淡がはっきりしているのです。

広葉樹の場合は、環孔材、散孔材、放射孔材という道管の並び方の違いにより、年輪も大きく異なります。散孔材は道管が細くランダムに散らばっているため年輪は淡いものになりますが、道管が太く規則正しく並んでいる環孔材の場合ははっきりした年輪が現れるという違いがあります。

・特性の違い

針葉樹と広葉樹の特性には、どのような違いがあるのでしょうか。基本的に針葉樹は成長が早く、軽くて柔らかいのが特徴です。木材としてカットする際には、明るい色味、かつ柔らかい色のものが多くみられます。また、広葉樹は針葉樹と比べて成長に時間がかかるため、緻密で重く、硬いものが多いです。色味についても明るいものから暗いものまで様々な色があるため、年輪と合わせて好みによって材質を選択することができます。

・用途の違い

針葉樹と広葉樹は、その特徴により異なる用途で使用されています。針葉樹はまっすぐ育つため、長い木材を取る場合に重宝されています。ソフトウッドとも呼ばれるように軽くて柔らかいという特徴から、加工がしやすく、柱や梁といった構造材として用いられることが多いです。柔らかい分キズがつきやすいというデメリットがあるため、床材などとしての使用には注意しなければなりません。広葉樹の場合は針葉樹と異なり、成長すると木は横に広がり、丸く見えます。こちらはハードウッドと呼ばれ重くて強度があるためキズがつきにくく、美しい木目を持っています。そのため机や椅子などの家具や、床材など家屋の内装として使用されることが多いです。一方、まっすぐ成長しない、硬く加工がしづらいといった特徴から、長い木材を取るのは不向きとされています。

まとめ 

針葉樹と広葉樹の違いについて、様々な観点からまとめました。針葉樹は約500種類、広葉樹は約20万種もあるといわれており、全ての品種がその特徴に当てはまるとは限りませんが、イメージは掴んでいただけたと思います。多くの種類がある木材の中から、最適なものを選ぶためには基本的な成り立ちを理解することがとても大切です。詳しく知ることで、木に対してより愛情を注ぐことができ、こだわりのあるものづくりができるようになるのではないでしょうか。

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