丸太から製材までの加工工程を知ろう!品質を保つ木材の保管方法とは

高品質の木材を購入するためには、木材の伐採方法や加工方法などを理解しておく必要があります。木材の正しい保管方法を知ることで、品質を維持しやすくなります。この記事では丸太から製材に加工するまでの流れをご紹介します。

木材を購入したことはあっても、どのようにその木材が製造・保存されていたのかを知るのは難しいもの。木材の品質を知るためには木材の伐採された土地や加工方法、保管方法を知っておくのが安心ですよね。この記事では木材を丸太から製材に加工するまでの一連の流れとしてご紹介していきます。

1.山での伐採

山で木材を伐採する際には、立木を切り倒すのが通常です。樹種によっては伐採するシーズンを見極めて切り倒し、良い木材を得るために「葉枯らし」を行うことがポイントです。葉枯らしをすることで、木材を軽量化し出材コストを抑えることもできます。スギの場合では6カ月くらい、ヒノキでは2週間ほど葉枯らしを行いましょう。伐採するシーズンは、ヒノキでは3~4月と7~12月で、最も適している時期は10~11月です。スギでは7~8月か11~12月が伐採に適しているシーズンであるため、計画的に伐採する必要があります。雪国の木材では伐採のベストシーズンは、秋です。木材にとって適した時期に伐採することで、カビや虫害の被害を抑えることができます。

2.原木の選定と丸太の木取りまで

木材を伐採したら、原木を選定し丸太の木取りまでを行います。この段落では、製材前の作業となる原木を選定するときのポイントや丸太の皮むきと木取り時の注意点について紹介します。

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2-1.原木選別

原木は、用途に合わせて切り出す大きさを想定したうえで選定しましょう。選定するときには、原木の傷や節、幹の長さや太さなどをチェックします。選定時には化粧材用・板材用・小割材用・芯持ち材用などに分け、長さごとに選別しておきます。そうすることで、注文時にスムーズに製材作業が行えるようになります。

2-2.丸太の皮むき

製材前に必要となる作業は、丸太の皮むきです。傷や石が木材につかないよう丸太の皮むきをすることで、帯鋸を傷めることを予防できます。樹種によっては、専門機械で皮むきをするものや人の手で丁寧に皮むきをするものもあります。

2-3.丸太の木取り

製材前の重要なステップとして、木取りがあります。木取りは、裁断手順や採材の位置などを決定することを意味します。木取りは、台車と呼ばれる送材車付帯のこ盤で行われます。木取りとして有名なのは、だら挽き(布挽き・丸挽き)やわく挽き(側挽き・板挽き)、柾目挽きや角物取りなどの手法があります。丸太の木取りにおける製材工程には、長年の経験や知識が必要になります。

3.製材について理解しよう

木材を丸太にできたら、製材作業を行いましょう。この段落では、製材作業における丸太の大割りや挽き割りなどをご紹介します。

3-1.丸太の大割り

丸太の木取りをした後には、帯鋸製材機を用いて大割りします。製材における大割りの方法には地域によって異なる場合もあり、吉野地方では「タイコ挽き」と呼ばれる製材の手法が有名です。丸太の性質を見極め、無駄のない製材作業が行えるよう大割りします。切り端となる部分も箸材などにし、丸太を余すところなく使用しましょう。

3-2.挽き割り

挽き割りと呼ばれる製材行程では、木材を平割りや正割りにすることを意味します。正割とは断面が正方形になっており、平割では断面が長方形になっていることが特徴的です。挽き割り類と呼ばれる木材は、幅が重さの4倍未満で材の厚さが7.5cm未満のものとなっています。

3-3.板割り

板割りと呼ばれる製材行程は、大割り後に生じた周辺材を用途別に板割りすることです。出来高の割合を意味する歩留まりの良し悪しは、板割りによって大きく左右されます。傷が多い周辺材では利用できないケースも多いため、板割りの製材行程は注意して行うようにしましょう。

4.灰汁抜き・自然乾燥

板をカットする製材行程を終えると、木材の灰汁抜きと自然乾燥をします。この段落では、自然乾燥と灰汁抜きの寒さらしと雨さらしの製材行程について紹介します。

4-1.自然乾燥

木材は木肌を傷めないためにも、製材行程のなかで自然乾燥をすることが多い傾向があります。人工乾燥をする場合には、干割れと呼ばれる化粧面や木口周りに割れ止めの処理を施すようにしましょう。木材の種類や大きさによって、乾燥には適した期間があります。木材を乾燥した後には、曲がりや割れのある木材が修正挽きの製材行程を経ることで出荷できる状態になります。

4-2.寒さらし(灰汁抜き)

木材は雪や冷風によって寒さらしすることで、灰汁抜きをして質の良い木材に仕上げることができます。冬場は気温が低いことから、木材の表面の急激な乾燥を抑えることが可能です。木材を寒さらしにするときには、木材を立てかけ灰汁抜きを行います。木材を立てかけるときには、木材が下から水分を吸わないよう根本が上側になるようにしましょう。寒さらしによって表面が白色になり、締まった丸太に仕上がります。

4-3.雨さらし(灰汁抜き)

雨さらしをするときには木材に曲がりやねじれが起こらないよう、ほぼ水平にして木材をさらします。木材の片側を少しだけ持ち上げ、雨が木材の表面に溜まらないよう気を配りましょう。

5.保管方法

木材を保管するときには、平積みにする方法と立てかける方法があります。木材を平積みにする際には反りが出ないよう、1枚目は木表にし2枚目以降は木裏になるよう重ねていきましょう。間隔を空けて木材を平積みすることで、カビを防止することもできます。また、木材を立てかけて保管する際には、根本を上にすることで水分を吸わずカビを防ぐことが可能です。場所を取らずに多くの木材を保管しておきたい場合には、立てかけて保管するようにしましょう。

木材の伐採や製材工程について理解しておくことで、高品質の木材を選びやすくなります。

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