聞いたことある?階段の名前と種類を知りましょう

家の雰囲気を決めるといっても過言ではない階段。以前はただの1階から2階、3階へと行き来するだけのものでしたが、最近ではデザインの一つだったり、家族の憩いの場になっていたりします。この記事ではそんな階段の名前や知っておいた方がいい基礎知識をご紹介していきます。

1.階段の基礎知識 -階段の各パーツ部分の名前

階段は、さまざまな種類のパーツを組み合わせて造られています。ここでは、普段から何気なく行き来している階段のパーツの名前について紹介します。

まずは部分ごとに名前を確認しておきましょう。

1-1.踏み面(ふみづら)

踏み面とは階段一段分の前後の幅から「鼻の出」を引いた幅(鼻の出とは段板と段板の重なりしろ)や、足の載る段板の面を指す名前です。昇り降りしやすい踏み面は、最低150㎜以上とされています。ただ階段は住む人の足や体の大きさによって、適切な幅(踏み面)が異なるでしょう。幅が狭いと、階段を降りる時に踏みにくいケースもありますので気をつけましょう。

1-2.蹴上げ(けあげ)

蹴上は階段1段分の高さや、足が上下する高さを指す名前です。昇り降りしやすい蹴上げは、最高230㎜以下とされています。踏み面と同様に、誰が階段を使うのかで高さを決めるのがおすすめです。蹴上は低いと足を持ち上げる負担も少なくなりますが、段数が増えてしまいます。階段は一日に何度も通る場所ですので、寸法もよく検討しましょう。

1-3.段鼻(だんばな)

段鼻は足を載せる板(段板)の先の部分を指す名前です。足が滑らないように滑り止めのゴムなどを付けることがあります。特に小さい子供やペットが昇り降りする場合、滑り止めやカバーを付けておくと安心です。

1-4.蹴込み(けこみ)

蹴込みは、階段の立ち上がりの引っ込んだ部分の名前です。階段でつま先をぶつけたことがある人もいるでしょう。蹴込みには板がはまっている場合、何もはめ込まれていない場合とさまざまです。階段のデザインや昇降のしやすさから板をはめ込まないタイプもありますが、名前は蹴込みと呼ばれます。

1-5.段板(だんいた)

段板は階段の足を載せる板の名前です。足で踏んで歩くことから「踏み板」とも呼ばれます。木材を用いた階段では、安全性を重視して段板に滑り止めが欠かせません。段板を削り段鼻に溝をつけたり、滑り止め金具をつけたりします。

1-6.蹴込み板(けこみいた)

蹴込み板は、段板の下の引っ込んだ部分にはめ込まれている板の名前です。段板と段板を縦方向から支える役割をしています。階段の上り下りでは見えずらい部分で、知らない人もいるかもしれません。蹴込み板をはめ込む時は、掘り込みをしておいた段板にはめ込み楔で打ち込んで外れないようにします。

1-7.踊り場

踊り場は、階段の途中にある平らな床板の名前です。距離の長い階段や、階段の向きを変える場合に踊り場を取り入れるケースが多いでしょう。建築基準法施行令では、住宅においては高さ4m以上の階段に踊り場をもうけることが決められています。ただ段数が多い場合は、4m以上でなくても踊り場があると安心です。

2.階段の基礎知識 -階段のかたち

階段は室内のどこに配置するかよく考えて決めましょう。それは階段の位置によって、部屋の雰囲気や活動導線に影響があるからです。階段は家具と違って模様替えすることができません。「ここに階段を設けなければ良かった」と後悔しないためにも、かたちや特徴に合わせた階段選びをしましょう。ここでは階段のかたち別に名前や特徴、メリット・デメリットを紹介します。

2-1.箱型階段

箱型階段は、箱を積み重ねて造られる階段の名前です。日本では、2階建てが増えた明治時代から木材の箱などで設置されるようになりました。箱型階段の側面は引き出しや収納ができ、階段スペースも無駄になりません。ロフトへ上る時のはしご代わりになど、サブ階段としてもおすすめでしょう。ただ箱型階段は、壁と壁の間に設置ができません。そのため他の階段と比べ、安全性の低さがデメリットです。

2-2.オープン型階段(リビング階段)

オープン型階段は、蹴込み板がない階段の名前です。隙間が多いことからストリップ階段とも呼ばれます。オープン型階段のメリットは、階段の重厚感がなく部屋の空間を広く感じられる点です。踏み板の隙間から光が入るため、家具の多いリビングや窓際でも設置が問題ありません。オープン階段は見た目がおしゃれですが、隙間の幅によって小さい子供が落下するなど危険もあります。そのような場合は、勾配を緩やかにし段数を増やしましょう。段数が増えれば隙間も狭まり安心です。

2-3.直階段

直階段は、上の階まで一直線にかけられた階段の名前です。落下した時にまっすぐ転がる様子から、鉄砲階段とも呼ばれます。直階段のメリットは、見通しが良く設置場所を選ばないという点です。一方、階段途中で転ぶと一番下まで転げ落ちる危険があります。そのため距離が長い直階段では、途中に踊り場を設けるなどの対策がおすすめです。

2-4.カネ折り階段

カネ折り階段は、途中で90度向きを変えて上がる階段の名前です。階段を上から見た時にL字型になっています。カネ折り階段のメリットは、階段下のスペースを有効活用できるという点です。階段下へ収納棚を作れば、インテリアのように使えます。また階段途中で向きを変える場所が踊り場になっており、安全性が高いです。一方でカネ折り階段は、広い面積を要します。そのため、お家のなかでスペースを占める点がデメリットでしょう。

2-5.回り階段

回り階段は、途中で折り返しながら階段のままで上がり続けるタイプの名前です。踊り場を設けないため、設置面積が少なくすむというメリットがあります。狭小住宅など、スペースの限られる室内に適した階段でしょう。ただ回り階段は方向を変える際のスペースが 狭く、上がりずらいと感じるかもしれません。階段途中ですれ違う時は注意が必要です。

2-6.折り返し階段

折り返し階段は、途中で180度向きを変えて上がる階段の名前です。 上から見た時にU字型になっています。折り返し階段は、向きの変わる段が踊り場代わりになり安全性が高いです。また全体的に勾配が緩やかで上がりやすいといえます。ただ折り返し階段は、カネ折り階段よりもさらに広い面積が必要です。設置を考える時は、部屋の広さをよく確認しましょう。 

2-7.らせん階段

らせん階段は、らせん状に回りながら上っていく階段の名前です。回り階段の一種で、デザイン性の高さから設置すればインテリアのようになります。設置面積が少なく、場所を選ばないのもメリットでしょう。ただ、らせん階段は足を載せる踏み板が三角で上り下りしづらく感じるかもしれません。また階段の面積が小さいため、大きな荷物の上げ下ろしが難しいケースもあります。

まとめ

今回は、階段の名前と種類について、パーツごとに名前、階段別の特徴やメリット・デメリットを紹介しました。住宅の中で階段はただの通り道ではなく、設置場所やデザインによってインテリアのように使える場所になります。階段選びは、設置場所や用途を含めて決めていきましょう。また階段に使う木材によって雰囲気が変わってきます。

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