知っておきたい!フローリングの種類

お客様から「木材のフローリングがいい」というご依頼を受けた際、どのような木材の種類を選ばれるでしょうか。木材の種類だけでも多々あり、加工技術も三層フローリングや複合フローリングなど多岐に渡ります。この記事ではフローリングの木材の種類や特徴に関してご紹介していきます。

1.木材フローリングの種類

木材フローリングは3種類あります。

  1. 無垢材フローリング(単層フローリング)
  2. 複合フローリング
  3. 三層フローリング

住む場所や住む人の体質によっては適さない種類もありますので、木材の特徴をよく確認しておきましょう。

1-1.無垢材フローリング(単層フローリング)

無垢材フローリングは、自然素材特有の風合いや温かみがあり経年変化が楽しめます。化学物質が使われておらず、体にも優しい種類のフローリングです。

ただ、マンションなど場所によっては防音規定に適さず使えないケースがあります。その場合は防音下地材を間に張るなど施工に工夫が必要です。欠点としては、天然木ならではの伸縮をするので、隙間やひび割れが生じることがあります。欠点も含めて「本物の樹」を好まれる方にお薦めです。

1-2.複合フローリング

複合フローリングは、木材の表面に以下のうちどれを使うかで種類がわかれます。

・化粧シート(ベースの木材に加工をしたもの)

・単板(丸太を0.2-3mmの厚さに薄く剥いた木材)

・挽き板(合板の上に薄く切った天然木を貼り付けたもの)

複合フローリングに使われる木材は施工しやすく、新築やリフォームで取り入れやすい種類です。床暖房対応や防音など機能性に優れており、寸法も安定しています。一方、無垢材と比べ風合いは劣ります。また接着剤が使われており、化学物質に敏感な人には向かない種類でしょう。

製品の寸法精度が無垢に比べて高いです。反面、樹の質感は無垢よりも劣ります。

1-3.三層フローリング

三層フローリングは、表面が無垢材で中身が複合、と両者のメリットを生かした機能性の高い種類です。表面は無垢材フローリングですが、伸張・反張しにくいです。また割れづらい性質で、施工のしやすさも申し分ありません。3枚の板を張り合わせる手間はかかりますが、無垢材フローリングと同様に長期間の使用に適しています。無垢材フローリングや複合フローリングと比べ、割高なのがデメリットでしょう。

2.木の種類

ここでは、木材の中でフローリングに適した種類を、特徴交えてご紹介します。

・寸法1,820×90×15(mm)

・1.64㎡(10枚分)

・無塗装

・エンドマッチ加工

<ナラ(オーク)>

ナラは虎斑といわれる独特な紋様のある木材で、伸張・反張しやすいです。そのため、フローリングに用いる場合は湿気や季節によって隙間が拡がったり狭まったりします。隙間にホコリが溜まることも考えられますので、できるだけぴったりと張る必要があるでしょう。

<サクラ(カバ)>

サクラは淡いピンク色の木肌が特徴の木材です。しっとりと手触りの良い木肌のため、家具にも使われます。フローリングに用いれば、質感が気持ち良く裸足で歩きたいと感じるでしょう。

<スギ>

スギは特有の香りが気持ち良い木材です。脂気が少なく軽くて柔らかいため、加工しやすいという特徴があります。また保温調湿が優れており、スギはフローリングを含め内装に使いやすい木材でしょう。

<ウォールナット>

ウォールナットは紫色を帯びた褐色、不規則な濃淡の縞模様が特徴の木材です。フローリングなどの内装に使うと、落ち着いた色味で洗練された空間に仕上がるでしょう。また木質は重硬で衝撃に強く、加工のしやすさに安定感があります。

<メープル>

メープルは、柔らかい色味で優しい印象を受ける木材です。メープルは重硬で加工がしにくい一方、靭性が高く衝撃に強い特徴があります。割れにくいという点からも、フローリングに安心して使える木材でしょう。ボーリング場にも多く使われてきた樹です。

<クルミ>

クルミは少しくすんだ赤みのある茶色で、柔らかい印象をあたえる木材です。柔らかく優しい色味のクルミは、フローリングや家具など内装に合わせやすいでしょう。クルミは加工しやすい柔らかめの質感ですが、強度は十分あります。

<ブラックチェリー>

ブラックチェリーは経年変化で濃い赤色へ変わり、アンティークな雰囲気に仕上がる木材です。木材ならではの「使い込むほど味が出てくる」特性を感じられるでしょう。ブラックチェリーは滑らかな木肌、水に強く耐久性に優れた木材です。フローリングの他にも用途が多い種類でもあります。

3.木材フローリングを選ぶポイント

木材のフローリングは種類も豊富で、お客様自身が決めかねてしまうケースもあります。人が行きかう場所に用いるフローリングは、居心地を左右する欠かせない存在です。お客様に適した木材のフローリングを提案できるよう、種類以外の視点から選ぶポイントをご紹介します。

3-1.雰囲気に合わせて選ぶ

施工場所の雰囲気に合わせて、フローリングの種類を選びましょう。フローリングは家なのかお店なのかで、使う種類やデザインが変わってきます。アンティーク家具が揃うお店では、フローリングの色味も落ち着いたものが合うでしょう。ブラックチェリーのような落ち着いた色味は、高級な雰囲気づくりを手伝ってくれます。逆に、リラックスする家では柔らかい色味を選ぶと効果的です。

3-2.住む人に合わせて選ぶ

誰が住むのかに合わせてフローリングの種類を選びましょう。どんな家族構成か、室内でペットは飼ってるかで適するフローリングが変わります。例えばペットを飼っているご家庭では、ペットが滑りにくいよう摩擦に強い種類の木材を選ぶのがおすすめです。無垢材フローリングは、心地の良い木の香りで消臭、抗菌作用の効果も期待できます。

3-3.機能性で選ぶ

フローリングの種類は貼る場所で求められる機能に合わせましょう。例えば、小さな子供のいる家庭でフローリングの汚れが心配という場合は、複合フローリングなど防水性があると安心でしょう。また床暖房の普及率は、北海道に次いで東京が高くなっています。これから増えていく可能性もあり、保温の機能に優れたフローリングが好まれると考えられます。

まとめ

木材フローリングや木の種類、フローリングの選び方についてご紹介しました。フローリングは木材の種類によって使用感や用途、室内の雰囲気が変わります。さまざまな視点からフローリングを選びましょう。

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