わが国における森林事情

古くから日本は、「森林資源の豊富な国」として国内外に認識されています。しかし冷静に考えると、私達は自国である日本の森林事情についてほとんど無知だということに気づきました。そこで、今回は日本の森林事情について、国外との比較をしながらご紹介していきます。

1.森林ってなに?

普段、何気に使っている「森林」ですが、改めて森林の定義を解説していきます。まずは広辞苑で森林を調べてみました。「樹木の密集している所。もり。はやし。」(引用:広辞苑第5版)木が沢山あって、世間一般の森林はこのイメージになっていますね。

また、あまり知られていませんが日本国憲法の中には、「森林法」という法律があります。この森林法第2条でも「森林の定義」が存在していました。以下、その定義になります。

「木竹が集団的に生育している土地及びその土地の上にある立木竹」並びに「木竹の集団的な生育に供される土地」

通常の木だけじゃなく、竹林も森林の一部だという定義には少々驚きました。

上記以外では、京都議定書やFAO(国際連合食糧農業機関)でも日本の森林について類似の定義があります。広辞苑や森林法との違いは、面積に規定がある点でした。京都議定書やFAOでの日本の森林は、「0.3ha(ヘクタール)以上の土地」と位置づけられています。

 2.森林は日本にどれくらいあるの? 

そんな森林ですが、日本にどのくらいあるか聞かれてパッと答えが出る人はほぼいないでしょう。農林水産省のデータによると、日本の森林の面積は「約2500万ha」で、日本の国土の2/3は森林が占めていました。

都道府県別で見てみると、1位は北海道で5538千ha、2位は岩手県で1171千ha、3位は長野県で1068千haでした。北海道が1位というのは納得ですね。逆に、森林が一番少ないのは大阪府で57千hαでした。東京の方が森林が少ないと思っていたので、この結果は意外でしたね。ちなみに、東京都は2位で、森林面積は79千haとなっています。

3.他の国となにが違うの? 

日本の森林面積については前項で解説しました。ここでは、世界基準で見た時に、この日本の森林面積がどのように位置づけられているかを解説します。

結論から言うと、日本の森林率(国土に対する森林面積の割合)は、世界第2位です。そう、日本は世界から見ても森林大国になります。日本は平地が少なく山が多いという特徴がありますが、この地形も日本に森林が多い理由の一つと言えるでしょう。

ちなみに、第1位は北欧のフィンランドでした。フィンランドの森林率は、70%を超えています。第3位も同じく北欧のスウェーデン。北欧は森林が多いイメージを持っていましたが、実際の森林率も高いことがよく分かりました。補足ですが、このスウェーデンと日本の森林率の差はたったの0.1%なので、統計によっては日本の森林率が第3位となっていることもあります。

同じ寒冷地と言えばロシアも森林面積が広いイメージでしたが、ロシアの森林率は世界第5位ですね。森林率は、5割とちょうど国土の半分です。

世界の森林率の平均値は3割でした。日本には資源が無いと言われがちですが、こと木材においては十分過ぎる資源を保有していることになります。

ですが、日本の森林の中には、成熟期を迎えたにも関わらず伐採されずに放置されている木が多数存在しています。理由は、現在日本で使われている木材の大多数は輸入木材になっており、国内の木材の需要が低いからです。そして、森林の手入れをする費用を捻出できない自治体も多く、森林が荒廃しつつあるという問題が起きています。

4.どんな木が生えているの?

森林大国の日本ですが、その森林の元になっている木はどんな種類が多いのか紹介します。まず、日本には「天然林」と「人工林」が存在しています。林野庁のデータによると、日本の天然林の割合が54%、人工林の割合が41%、その他が5%です。

天然林についてはデータが掲載されていませんでしたが、人工林の中で一番多いのが、「スギ」でした。人工林の中で44%を占めています。次いで、「ヒノキ」の25%、その他が31%となっています。この割合を見ると、スギ花粉に悩まされている方も多数いる理由がよく分かりますね。

価格面で比較すると、スギよりもヒノキの方が1.5倍ほど価格が高くなっています。ヒノキは水とシロアリに強いという特徴があるので、住宅ではキッチンなどの水回りにヒノキ、その他はスギを用いることが一般的です。ヒノキと比べるとスギの方が柔軟性があり、冬季に温かい特性があるので住宅建築ではスギの割合が高くなっています。

森林率世界第1位のフィンランドの木についても触れておきましょう。フィンランドでは、「マツ」、「白樺」、「トウヒ」が全体の99%を占めています。どれも寒冷地に適した木で、古くから木材や家具の材料として活躍してきました。トウヒの一部は楽器の材料や製紙としても活躍しています。

森林事情においては、日本は世界から見て恵まれている国だということが分かりました。日本に空気が美味しい場所が多数あるのも、この森林のおかげですね。

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