林業で使用する機械にはなにがあるの?

林業では、さまざまな機械を用いて加工します。例えば、伐採に使用する機械や伐採をした木々を集めて運ぶ機械などです。それだけでなく、多くの用途で機械が使用されています。そこで今回は、林業においてどういった機械が活躍しているのかについてご紹介します。

1.伐木造材(伐採系)

まずは伐木造材に用いられる機械について、見ていきましょう。木々を伐採する際にはどういった機械が用いられているのでしょうか。

1-1.チェンソー

チェンソーは、刃の付いたチェーンを速い速度で回すことで、丸太や枝などといった木材を切ることができる工具です。主に林業や製材業で用いられています。伐木造材としては、木々の伐倒や枝払い、玉切り作業に使われるため、木を切る際に重宝されています。また、持ち歩きができる機械であることも特徴です。

1-2.フェラーバンチャ

フェラーバンチャは、木を伐り倒すことや伐った木を集める作業に用いられます。伐倒した木を掴み、集材をするのに適した場所へと集積できる、自走式の機械です。まずは、伐り倒す反対側からアームで立木を掴み、装備されている油圧式のハサミを使い、掴んだ木々を伐り倒します。そして伐り倒された木材を運搬などがしやすい場所へと引き出して並べて置くという手順です。

1-3.ハーベスタ

伐倒や伐倒した木々を丸太にする際に使用するのが、ハーベスタです。これまでチェンソーで行ってきた立木の伐倒や枝払い、玉切りといった工程と、玉切りをした木材の集積作業を最後まで行うことのできる、自走式の機械となっています。

1-4.プロセッサ

刈った木々を丸太にする機械であるプロセッサも、用いられます。林道あるいは土場において、集められてきた木材の枝払いや測尺、玉切りといった作業を連続して行い、玉切りをした木材の集積作業も一手に行うことができる自走式機械です。

2.集材(車両系)

続いては、伐採した木々を集めるのに用いられる車両系の機械を見ていきましょう。

2-1.トラクタ(ホイールタイプ・クローラタイプ)

トラクタにはホイールタイプとクローラタイプがあります。伐採した木々を集める作業に用いられる車両系の機械です。丸太の端を吊り上げて、土場まで地引集材します。基本的に伐開された林地の中で使われます。

2-2.スキッダ(ホイールタイプ・クローラタイプ)

牽引式の集材機であるスキッダにも、ホイールタイプとクローラタイプがあります。刈った木材をまとめる作業に用いられ、集材用のトラクタの中でも車体の後ろ部分にグラップル装置が装備されているものを指します。

2-3.運材車

林内作業車である運材車は、木寄せや刈った木々を集める作業で活躍します。木材を荷台に積んで運ぶための自走式機械です。小型のものであれば、短くカットされた幹材を載せて、運び出すのが目的となっています。多少であれば傾斜のある土地であっても通行できるので、小型作業のために多く出回っている機械です。

2-4.フォワーダ

フォワーダは積載式の集材車両です。伐採した木材を集める際に用いられ、グラップルローダで荷台に木材を積み、運搬を行う集材専用の自走式機械となっています。主に森林作業道を走行します。

3.集材(架線系)

空中に張られたワイヤーロープを用いて伐り出した木材を運ぶ方法もあります。その際にはどういった機械が用いられるのか、見ていきましょう。

3-1.集材機

集材作業に使われる集材機は、複数のドラムがある巻き上げ機が一般的です。作業索を操作することにより集材します。索張り方式が多数あります。

3-2.自走式搬機

自走式搬機も集材作業に用いられます。走行性や荷上げのための動力が備わっていて、無線での操作が可能です。また、架線式集材機の搬機にエンジンを搭載することにより、自走できるようになっています。自走できることで、架線の索張り作業を簡単にできる点が魅力といえるでしょう。

3-3.タワーヤーダ

タワー付き集材機のタワーヤーダは、傾斜が急になっている場所に用いられます。手軽に架線集材が可能、かつ人工支柱が装備された移動もできる集材機です。

3-4.スイングヤーダ

スイングヤーダは、旋回ブーム式のタワーが付いている集材機です。主索を使うことのない簡易索張方式にマッチしており、それに加えて作業している最中にもターンができるブームが装備されている点が特徴となっています。建設用のベースマシンに、集材に使われるウィンチを載せ、アームをタワーにして使います。

4.育林

木材の生産や防風などを目的として森林を育てていくとしたら、どういった機械が必要となるのかについて、知っておきましょう。

4-1.刈払機

刈払機は、刈り払いを行うための持ち運び可能となっている機械です。下刈や地拵えに用いられます。例えば自宅の庭や公共の公園あるいは河川敷などに生えている雑草あるいは細い茎の植物などを刈るような作業に適した機械です。樹木が成長するのを保つためにも役立ちます。

4-2.動力枝打機

動力枝打機は、枝打の際に用いられます。木に登り枝打を行う機械であり、装備されたチェンソーにより枝を落とす仕組みになっています。立木を自身の力で登って作業が可能な点も、特徴といえるでしょう。

まとめ

木材を伐採する際、集める時や運ぶ時、そして森林を育てるためにさまざまな機械が多数活躍しています。林業に携わっている方たちが作業をしやすくする役割を担ってくれているのです。機械それぞれの使い方や役割をしっかりと把握して、林業に役立てていきましょう。

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