注目を集めるウエスタンレッドシダー材って何?経年劣化の注意点とは?

ウエスタンレッドシダーは建築材として、幅広い用途で使用されています。この記事では、ウエスタンレッドシダーが経年劣化する際の注意点や健康や環境への影響など、使用するうえで気になるポイントについて紹介します。 ウッドデッキ材としてよく使用されるウエスタンレッドシダーは、近年建築に幅広く使われるようになってきました。加工しやすいといわれるウエスタンレッドシダーですが、どのようなメリットがあるのでしょう。

1.木材・ウエスタンレッドシダーの特徴

樹種名ウエスタンレッドシダー
別称カナダ杉・ベイスギ
科目ヒノキ科の針葉樹
原産地カリフォルニア州北部からアラスカ州南東部にかけて生育しています。カナダでは、ブリティッシュコロンビア州のみに生育する木材で、内陸部の温帯雨林地帯や太平洋沿岸北西部に広く分布しています。ウエスタンレッドシダーは太平洋沿岸に沿って生育していることが特徴です。
材色1本の木材でも、辺と芯では全く色味が異なるケースもあります。辺材は白色であり、芯材は赤みが強く出ることが特徴です。やや黒ずんでいる黄褐色の木材も取れることから、色調にばらつきがあることがウエスタンレッドシダーの特徴です。
比重0.35
耐朽性耐久性が高いことが特徴ですが、加工しやすく幅広い用途で使用されています。

2.ウエスタンレッドシダーのメリット・デメリット

ウエスタンレッドシダーには、加工しやすいなどのメリットもありますがデメリットもあります。そのため、木材を加工する前に、メリットとデメリットを押さえておきましょう。

メリット1.加工がしやすい

ウッドデッキ材としても人気を集めているウエスタンレッドシダーは、ソフトウッドと呼ばれる軟材に分類されます。柔らかい木材であるため加工しやすく、丸ノコだけではなく手ノコでも木材を切断できることが特徴です。丸ノコを使用する際にもウエスタンレッドシダーを使用すれば、刃が木材に弾かれて暴れてしまうキックバックを心配する必要もありません。また、ウエスタンレッドシダーは釘やビスを打ちこんだときにも割れづらいため、DIY初心者でも扱いやすい木材だといえるでしょう。

メリット2.耐久性が高い

ウエスタンレッドシダーには、ツヤプリシンと呼ばれる木材の腐敗に抵抗する物質が含まれています。ツヤプリシンは、多くの木材に加圧注入されているACQと呼ばれる防腐剤と匹敵するほどの抗菌性能があるといわれています。そのため、他の木材と比較して腐敗に強く、耐久性が高いことがメリットです。害虫を木材に寄せ付けない天然成分も、ウエスタンレッドシダーには豊富に含まれています。そのため、雨風にさらされて腐敗しやすいウッドデッキ材としてウエスタンレッドシダーを使用した場合でも、高い耐久性を誇り長期間品質が保持しやすいことが特徴です。

メリット3.軽い

木材は、気乾比重によって重量を把握することができます。ウエスタンレッドシダーの気乾比重は約0.35であり、多くの木材と比較しても軽量であることが特徴的です。軽量な木材はカンナによる仕上げや切断も用意にできるため、万人にとって扱いやすいというメリットがあります。

デメリット1.経年劣化する場合がある

ウエスタンレッドシダーは腐敗しづらいことが特徴ですが、状況によっては経年劣化するケースもあります。腐敗しづらいことがメリットであるウエスタンレッドシダーですが、10年ほどウッドデッキなどで使用すると徐々に退色してしまいます。経年劣化によって灰色に近い色合いになってしまうため、長年使用した人のなかにはウッドデッキの張り替えを検討するケースもあります。

3.ウエスタンレッドシダーの健康・環境への影響

ウエスタンレッドシダーは、カナダでは古くから食べ物を入れるための容器としても使用されており健康被害は比較的少ないことで有名です。肌の広い面積が触れやすいサウナ室の内装材としても、ウエスタンレッドシダーは使用されています。しかし、ツヤプリシンの成分が影響することで、人によっては接触性皮膚炎を発症するケースもあります。ウエスタンレッドシダーの粉塵が目や鼻などに付着した際に、涙目やくしゃみなどのアレルギー症状が出ることもあります。また、コンクリートや銅などの人工素材よりもウエスタンレッドシダーなどの木材を利用した方が、水質や空気への影響は大幅に抑えられるといわれています。さらに、ウエスタンレッドシダーは木材生産者が継続して新しい木を植樹しているため、北アメリカの森林は増加傾向にあります。

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