やわらかめの木日本特産の樹種で、本州中部から四国、九州を経て屋久島まで分布しています。狂いが少なく耐水性が高いため、最高級の建築材とされてきました。寺社仏閣にも数多く使用され、1000年の寿命を保つ建築物もあります。また、ヒノキチオールと呼ばれる成分によるリラックス効果も期待できます。なお、加工を海外でおこなった商品は片仮名でヒノキと表示するのが慣習です。桧ヒノキ科針葉樹草の仲間でありながら木と同じような性質を持つため、「木と同じ」と書いて「桐」です。冬でもあたたかく心地よさを感じられ、とてもやわらかいため転倒した際の衝撃を緩和してくれます。また、熱が伝導しにくいので、万一の火事でも桐たんすの中の物は無事だったという事例もあります。調湿効果により着物や衣類の収納にも適しています。桐ゴマノハグサ科広葉樹加工性が良く角材から板材まで作ることができるため、古来より重要な木材として重宝されてきました。特有の芳香があり、杉樽に貯蔵することによって日本酒に香りをつけたりもします。杉には多くの地域品種があり、色合いや材質がそれぞれ異なります。杉スギ科針葉樹日本の杉の苗木を中国西南地方に植林した杉を「柳杉(やなぎすぎ、りゅうすぎ)」と呼びます。土壌が違うため、色合いや木目などが少し異なるものの、日本の杉と非常によく似ています。柳杉スギ科針葉樹ヨーロッパやロシアに分布し、やわらかくあたたかみがあるのが特徴です。木目も比較的素直で親しみやすい木です。建築、家具、土木、パルプなどに広く使われており、自然素材や節あり商品の人気に後押しされてフローリングなどでの利用も増加したため、日本トップクラスの使用量を誇る樹種となっています。レッドパインマツ科針葉樹香りが青森ヒバによく似ているため米ヒバと呼んでいますがヒバ類ではなくヒノキの類です。ヒノキチオールに類似した物質が含まれているため耐腐朽性に優れ、シロアリに対して抵抗力を持っています。米ヒバヒノキ科針葉樹マツ科針葉樹日本三大美林のひとつで樹齢200年以上の時間をかけて育ちます。湿気に強く独特の芳香を持ち、殺菌性の成分を含むため、防虫効果があります。青森ヒバヒノキ科針葉樹北米のブラックウォールナットに類する木で、東アジアに分布し、「オニグルミ」とも呼ばれています。英名が「ウォールナット」であることからもわかるように、木目はブラックウォールナットに酷似します。やわらかく軽いため、家具や彫刻にも使用されます。クルミという名前ですぐに連想されるのは果実ですが、この類の木材はブラックウォールナットより若干柔らかく優しい表情です。中庸な硬さと重さを持ち、狂いの少ない靭性があります。クルミクルミ科広葉樹木目は細かく、色が白いのが特徴です。柾目で使用されることが多く、その綺麗な柾目は、フローリング、羽目板、カウンターなど、様々な用途に使われます。ヘム(ツガ)カナダの針葉樹の中でも最高クラスの強度を持ち、曲げ強度とせん断強度が高く、剛性にも優れています。構造材、造作材、建具、家具、合板、造船などにもよく使われます。経年変化で色合いに深みが増します。ダグラスファー(米松)マツ科針葉樹アラスカ南部からカリフォルニア北部にかけての広大な地域に分布する木です。濃淡のある色合いが特徴で、独特の甘い香りによるリラックス効果もあります。加工がしやすく、優れた耐久性を誇ります。ウエスタンレッドシダー(米杉)ヒノキ科針葉樹福建省を中心とした中国南部に分布することから「福杉」「福州杉」「福建杉」などと呼ばれます。独特の強い香りを持つため、「香杉」の別名もあります。やわらかく軽いですが、一定の耐久性があるため、サイディングやデッキとして使用されています。福杉ヒノキ科針葉樹フローリング壁・羽目板カウンター階段材建具・デッキ和造作58
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